2026 年 2 月 21 日に Go Conference mini in Sendai 2026 が開催されました。僕は「Who tests the Tests ?」というタイトルで登壇し、参加者としてもセッションや懇親会を楽しんできました。とても楽しかったので、イベント全体の雰囲気、自身の発表内容、仙台でのコミュニティとの交流について書き残しておきます。
僕と Sendai.go
僕にとって Sendai.go は特別な意味を持つカンファレンスです。というのも、生まれてはじめて現地参加したオフラインカンファレンスが Go Conference mini 2022 Autumn IN SENDAI だったからです。学生の頃からGo Conference に登壇していましたが、当時はまだコロナが少しずつ落ち着いてきたかなといった時代だったこともあり登壇は全てオンラインで行っていました。オフラインで登壇をすると、発表を本当に聞かれている、リアクションしてくれるというオンライン上では感じ取り辛いライブ感が加わりとても楽しかったことを覚えています。
その場で交わした会話や紹介してもらった人たちとのつながりは、その後のカンファレンスや OSS 活動を通じて現在まで続いています。Go Conference の運営に関わるようになり、メインオーガナイザーになったことも、そのテーマを「一期一会」にしたことも、Kubernetes や Argo CD のメンテナーとして活動するようになったことも、あのときの一歩が出発点でした。
そうした個人的な原点とも呼べる場所に、4 年後の 2026 年に登壇者として戻ってくることができたのは、非常に感慨深い出来事でした。
登壇: Who tests the Tests ?
僕のセッションでは、Mutation Testing と、それを Go 向けに実装した OSS ツール gomu について発表しました。スライドは SpeakerDeck で公開しています。
発表の趣旨
近年の開発では AI エージェントによるコード生成とテスト生成が急速に普及しています。人間が書いたコードも AI が書いたコードも、最終的に品質を担保するガードレールは CI であり、その中核にあるのがテストです。しかし「テストが存在すること」と「テストが意味のある検証をしていること」は別の問題です。
従来、テストの品質指標としては Code Coverage が広く使われてきました。しかし Goodhart’s Law – 「ある指標が目標になると、その時点でその指標は良い指標ではなくなる」– が示すとおり、カバレッジを追い求めると、assertion を書かずにコードを通過するだけの形骸化したテストが生まれてしまいます。AI エージェントにテスト生成を任せると、t.Skip を使って実質的に何も検証していないテストを生成されるケースすら存在します。
そこで本発表では「テストをテストする」手法として Mutation Testing を紹介し、その仕組みと gomu の実装、さらに CI への組み込み方について解説しました。
発表後には「既存プロジェクトへの導入の始め方」「どの粒度で適用すべきか」といった質問をいただき、実際に Mutation Testing を運用に載せることへの関心の高さを感じました。
印象に残った発表: tobari
今回のカンファレンスで特に印象に残ったのが、goccy さんによる tobari の発表です。
僕の発表が「テストが意味のある検証をしているか」というテストの質の話であったのに対し、tobari は「どのテストがどこをカバーしているか」というカバレッジの話であり、両者は同じ「CI とテストをどう信頼するか」という課題に対して異なる角度からアプローチしています。
AI によるテスト生成が当たり前になる時代には、テストの質とカバレッジの両方が必要になるはずであり、同じカンファレンスでこの2つのトピックが並んだことにはコーディングエージェントの過渡期にいる今の時代を象徴しているように感じました。
仙台でのコミュニティ交流
冒頭にも書いたとおり、僕にとって Sendai.go は 2022 年のオフライン初参加の場所です。そのときに出会った人たちの多くは現在もコミュニティで活動を続けており、今回の Sendai.go 2026 でも会場や懇親会で再会することができました。
オンラインでのコミュニケーションが主流になった現在だからこそ、「名前と顔と人となりが結びつく瞬間」の価値は相対的に高まっているように思います。Sendai.go のようなローカルカンファレンスは、東京で開催される大規模カンファレンスと比べて距離が近く、登壇者と参加者の境界が緩やかで、会場と懇親会の一体感も強いように感じます。参加者全員が「仙台まで足を運ぶくらいに Go が好き」という共通体験を持っていることもとても素敵だなと思います。
おわりに
2022 年にはじめて現地参加したコミュニティに、2026 年にも登壇者として戻ってくることができました。コミュニティとの関係をこうした形で長く続けていける、社会人になってもたくさんの出会いがあることは非常に幸せなことです。
実行委員長の senoue さんをはじめとする運営委員のみなさま、スポンサー各社、会場を提供してくださったクラウドスミス株式会社、そして当日会場で声をかけてくださった参加者のみなさま、本当にありがとうございました。
また次回、仙台でお会いできることを楽しみにしています。